モンゴル考古学

研究プロジェクト名

モンゴル考古学

実績報告

令和4年度 モンゴル考古学実績報告書

専任教員名

白石 典之   人文社会科学系(人文学部)・教授

概略

 私たちの研究テーマはモンゴル高原に成立した遊牧王朝興亡史の解明です。モンゴルの遊牧王朝は世界史に大きな影響を与えました。例えば、匈奴の西進はゲルマン民族大移動の遠因になったと言われています。また、モンゴル帝国は交通網で東西世界を結びつけたことで、グローバル化の先駆けになったと評価されています。

 しかしながら、それらの興亡のメカニズムはよくわかっていません。それは文字資料が少ないからです。そこで私たちは物質資料に注目して研究を進めています。具体的には、考古学者は遺跡から当時の社会や文化の再構成を、生化学者は人骨のゲノム解析から人々の移動の実態を、気候学者を土壌や堆積物から古気候の復元を目指しています。文系と理系が共同しているのが私たちのプロジェクトの特徴です。

 モンゴル高原は寒暖の差が大きく、乾燥も激しい劣悪な環境にもかかわらず、次々に強大な王朝が誕生しました。そこに地球温暖化で貧困にあえぐ人々を救うヒントがあるかもしれません。また、異なった宗教を信じる多民族を支配したシステムからは、紛争を解決する手掛かりが見つけられるかもしれません。私たちは過去から現在と未来の社会の持続発展を見据える、「温故知新」型の研究を目指しています。

 なお、本プロジェクトは日本学術振興会の科学研究費を得て実施されています。

プロジェクトメンバー

氏名 所属 専門分野 備考
白石 典之 新潟大学 モンゴル考古学 リーダー
BATMUNKH Tsogtbaatar モンゴル科学アカデミー モンゴル考古学 海外協力者
三宅 俊彦 淑徳大学 銭貨考古学 科研メンバー
篠田 雅人 名古屋大学 乾燥地気候学 科研メンバー
鈴木 宏節 神戸女子大学 北アジア史 科研メンバー
覚張 隆史 金沢大学 DNA科学 科研メンバー

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