老いを支える文化:地域間比較と国際比較

共同プロジェクト名

老いを支える文化:地域間比較と国際比較

連携教員名

中村 潔   人文社会科学系(人文学部)・教授/人文学部長

概略

 日本を含む東アジアでは既に少子高齢化が進み、福祉国家化を目指しています。それに対し、多くの国で人口ボーナス期が続いているとされる、東南アジアや南アジアでは、国家が介在した体系的な社会保障制度は整っていません。2030年代くらいまで人口ボーナスが続くと予想されるインドネシア共和国ですが、比較的急な近代化を蒙り、人口の抑制(家族計画)と晩婚化、都市への移住と第三次産業への転換が進んだバリでは、少子高齢化と地方の過疎化が進んでいます。増えゆく高齢者に対しもはや家族・親族にケア役割を丸投げすることはできず、地域社会(集落)の側が処さなくてはならない状況であるのは、環東アジアの諸社会に共通してみられます。こうした事態に地域社会はどう対応してきたのか。本プロジェクトは少子高齢化と対峙する地域社会のレジリエンスを通文化的に比較し、福祉が行き届かない社会状況下における老いを支える営みを前景化させ、新たな高齢者福祉システムの可能性を検討します。
 本プロジェクトでは、加賀谷が、小規模人口のため多様な福祉制度の利用が困難な沖縄及び会津における少子高齢化した集落が、集落機能を維持するために編み出す創意工夫の発見と、そうした活動の創出可能性を包含する要因を明らかにするべく比較研究を行います。また、中村は、バリの中山間地集落、及び、そこからロンボク島の都市への移住者がどのようにこの状況に対処しているのかをロンボクの集落との比較研究から探ります。加賀谷と中村の調査結果をさらに比較対照して検討することで、国家の役割が小さな高齢者福祉システムの形成に関する理論的構築の端緒とします。

プロジェクトメンバー

氏名 所属・職名等 専門分野
中村 潔 人文学部・教授/人文学部長 文化人類学
加賀谷 真梨 人文学部・准教授 民俗学・文化人類学

研究報告・お知らせ

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