少子化時代の「希望の妊娠」実現プロジェクト―スリランカ-日本のプレコン(妊娠前の健康促進)実態の比較研究から―

研究プロジェクト名

少子化時代の「希望の妊娠」実現プロジェクト―スリランカ-日本のプレコン(妊娠前の健康促進)実態の比較研究から―

専任教員名

関島 香代子   医歯学系(医学部保健学科)・准教授

概略

 20歳代は、大学〜就職後間もない時期にあたり、性行動が活発化は発達課題であり、合わせて人工妊娠中絶率が最も高い(厚生労働省)。計画外の妊娠が発覚した場合、人工妊娠中絶が選択されるか、出産した場合は産後うつ・虐待リスクとなり、場合によっては当初のキャリアプラン/ライフプランの変更が余儀なくされる重大なる社会問題となる。

 「大学生のための役に立つ育児学」を担当し、長期化した少子化社会、「性」がタブー視され先進主要国最大のジェンダーギャップが浸透した現代社会に生きる大学生(履修学生)は、自身の将来像にキャリアプランをもちつつもライフイベントとして妊娠出産・子育てが含められていない点、妊娠を希望しない時期に必要な確実な避妊法を正しく理解していない点が強く問題視される。

 対照として、南アジアに位置するスリランカでは、CSE(包括的性に関する保健教育)が取り入れられている。本プロジェクトでは、20歳男女は全員がプレコン(妊娠前)であると捉え(妊娠中女性を除く)、WHOが主導する「主体的なプレコンセプションケア Preconception Care、妊娠前の健康促進ケア)」 のうち「希望の妊娠をする/希望しない妊娠はしない)」の実現をねらうものである。

 国際比較と潜在的な課題の探索のためにスリランカを対照地域と設定し、共同して、学際的なプロジェクトメンバーが参画して「パートナーとともに、それぞれがもつ「性」を対等に尊重した適切な「予防可能な人工妊娠中絶の回避」行動を支援する大学/企業を場とした有機的システムを検討、提案する。

プロジェクトメンバー

氏名 所属・職名等 専門分野
関島 香代子 保健学研究科(看護学分野)・准教授 ウィメンズヘルス、保健学
Hansani Madushika Abeywickrama 保健学研究科(看護学分野)・助教 基礎看護学
中島 伸子 教育実践学研究科/人文社会学系・教授 児童心理学
真保 加奈子 新潟医療福祉大学・助手 母子保健、保健学
諸橋 麻紀 新潟薬科大学・助教 母子保健、助産(開業助産師)
Malshani Lakshika Pathirathna Faculty of Allied Health Sciences
University of Peradeniya・Head/ Senior Lecturer
保健学、疫学統計学
定方 美恵子 新潟薬科大学・教授 母子保健学
大島 克子 きらきら母乳育児相談室・室長 助産(開業助産師)
H.M.R.K.G.Nandasena Department of Nursing, Faculty of Allied Health Sciences, University of Peradeniya, Senior Lecturer

地域看護学、母子保健

大学院生 保健学研究科(看護学分野)・博士前期課程 保健学

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